病院を利用した際に、診察や治療にかかった費用を患者は支払いますが、その費用がいくらになるのかは診療報酬という基準によって決まっています。
一つひとつの医療機関が、各々の裁量で勝手に決めてよいものではないのです。
診療報酬とは、病院をはじめ診療所などの医療機関が、手術や検査、医薬品の処方などといった医療サービスを提供した際に、その対価としてもらう報酬のことです。それぞれの医療行為ごとに点数が定められており、その点数の総合で決められます。
なお、どの医療行為にどれだけの点数が加算されるかは、厚生労働省の諮問機関が2年ごとに更新していくことになっています。
診療報酬は、医師の働きにしか関係ないというわけではなく、看護師の報酬や働き方にも大きな影響を与えます。
診療報酬は、2年ごとに改定されるため、病院側でもおよそ2年ごとにどの診療科のどの治療に注力するのかを考慮したうえで人員配置を決定します。
看護師の人員配置もそれに合わせて変更になるでしょう。
場合によっては、看護師が勤めやすい診療科の人員が削減されることもあり、採用率が変わる可能性もあります。
また、診療報酬は認定看護師や専門看護師の活動にも加算されるようになり、看護師のキャリアに対する認識にも変化が生じました。
より専門的な資格を狙ったり、訪問看護の道へ進んだりする看護師が多くなるようです。
このほか、夜勤の後には休日を設けるなどといった決まりも加えられたので、看護師の過重労働を改める働き方改革にも貢献したといえるでしょう。
報酬や働き方など、仕事にも影響を与える診療報酬について看護師も理解することが大切です。